リボンの騎士 ザ・ミュージカル

今日も行っちゃった(苦笑)
というわけで、すっかりトリコになってますリボンの騎士。つらつらと気がついたことを書きました。とりあえず今日はサファイア高橋愛)と大臣(吉澤ひとみ)について。ネタバレしまくりになると思うのでもぐります。イヤなら避けてくださいね。

素晴らしい、の一言に尽きます。実力あるのも知ってたしわかってたつもりだったけれどそんな想像を遥かに超えてきた。以前にも書いたように、私は高橋愛さんというハロプロメンバーをあまり好きではありません。でも、その実力はイヤというほど今までのコンサートで見せ付けられてきていたし、娘。のエースであり、いまや柱になっていることは疑っていません。その柱が今回の公演を通して更に太くどっしりとしたものになったのだと感じました。マルシアさんや箙さんと比較すれば見劣りする部分はあるものの、同年代のミュージカル女優さんたちと比較してもけして引けをとりません。むしろ連日マチネとソワレをこなしてる女優さんなんでそうそういません。その所為か喉の疲弊を感じはしたものの、舞台上にいたのは高橋愛ではなくサファイアでした。これはね、本当に立派。疲れても苦しくても役を演じている間はその役の人生を生きる、それが舞台だと私は考えています。そういった意味で、今回の舞台の中での高橋さんは間違いなく主役に相応しい人だと思いました。現時点で4公演を見ていますが、ところどころ小さなミスはどうしても出てきています。声が伸びきらない、小道具が上手く掴めない、ステップや立ち位置を間違える、セリフを噛む。でも集中を切らさず、舞台の上に高橋さんはいなくてサファイアがいる。見上げた根性ですよ、ホントに。
さて、褒めてばっかりいてもしょうがないのでちょっとは苦言を、と思ったのですが、正直高橋さんに関しては何もありません。歌も動きも、これ以上は求められません。しかも、困ったことに見る度に良くなっているんです。見れば見るほど、サファイアを生きてる。あの集中力が千秋楽まで続くのか、というのが若干心配ではありますが、きっと熱があろうと倒れる寸前だろうと、舞台の上ではサファイアを生き抜くんでしょうね、高橋さんなら。無理はしないで欲しいものです。
高橋さん個人の問題ではないのですが、フィナーレについて。初日からしばらく迷走したようですが、終演まで着席が義務付けられました。つまり、これだけ熱演している主役にスタンディングオベーションをしてあげられないということです。今日はリボンの騎士をソワレで観たのですが、その前に東宝ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』のマチネを観に帝国劇場まで行ってきました。東宝のミュージカル自体、私の趣向にだいたいマッチするのでいつも楽しいのですが、今回は特に良かった。初演というのもあるだろうし、なにより舞台自体がとてもいいもので、それを観客が認めてる。あの空間がすごく気持ちよかった。エンディングには2階席の後ろまで総立ち。2000人のスタンディングオベーションを受けながらのカーテンコールはさぞかし気持ちのいいものだろうと思いました。同時に、これから観に行くリボンの騎士ではあれだけのものを魅せてくれて夢中にさせてくれてるのにそれができないのだと悲しく思いました。最高の賛辞を自ら捨てる形で「終演までの着席」を義務付けさせなきゃいけない状況に追い込んだこと本当に演者の皆さんに申し訳ないと思います。これを機に、ハローだけを応援してきた人たちがTPOという言葉を知って、素晴らしいものには素晴らしいと伝える場にあった相応しい伝え方を身に着けてくれれば、と思います。ルールだけを守ればいいんじゃない。加えてマナーとモラルがあるから社会は成り立っているんです。なんでもかんでも規制されなきゃできないなんて子供みたいじゃありませんか。舞台にいるメンバーたちが喜ぶのは、ボードでもサイリウムでもコールでもなくて、拍手だと思います。公演もちょうど半分が終わりました。これからの公演に行かれる方は是非、めいっぱいの拍手を贈ってあげてください。
千秋楽にはマコの卒業がメインになるんだろうから、高橋さんにとっては災難というかなんというか……。これだけの大仕事を終えてもなお、気が抜けないのは本当にかわいそうだなぁ。カーテンコールでほっとして泣いたり、自分の話をしたら、「マコの卒業式なのに!」って叩かれるんだろうか。そんなのかわいそすぎる!! 思いっきり労ってあげたいけれどそれができないのはなんだか本当につらい。(まあそもそも千秋楽のチケット持ってませんけど) 1ヶ月も、40公演も演じた主役が千秋楽のカーテンコールで主役になれないのは酷だなーと、公演の内容が良すぎたために思ってしまいます。マコのことは好きだし、卒業公演だからっていうのはあるけれど、それでも千秋楽には高橋ヲタさんたちに観て欲しいなぁ。それぐらい今回の高橋さんは素晴らしい、ホント。全然推してないはずの私がこんなに絶賛しちゃうぐらい(笑)
サファイアの台詞で好きなのはこれ。

命尽きる日まで、私は女です

大団円を迎えるところ。紆余曲折を経て、本当に女になった自分を肯定して胸を張って生きていこう、というような雰囲気を感じました。それまでは王子としてどうあるべきか、どう振舞うべきかという観点にとらわれていたサファイアが自分のための人生を歩き始めた瞬間のこの言葉はホント好き。この台詞も毎回ちょっとずつ違うんだよなぁ。味があるな高橋愛
そうそう。衣装にちょっとイチャモンつけようと思ってたんだ。あの赤いドレスはいただけない(苦笑)。とっても大事な衣装なのに、なんだか高橋さんに似合ってないように思うんですけど……。事前にネットで観たときにも違和感を感じましたが、生で見てもあの衣装だけはどうもダメだ。同じ赤でももっと高橋さんに似合う赤があるだろうに。そして何より亜麻色のカツラが似合ってないんだこれが。初見のときはどうも違和感が先行してしまって気になってたけどまあ回数重ねるうちに慣れてはきましたよ。でもなぁイマイチなんだよなー。第一幕のサファイアが登場するシーン(庭での王妃とのシーン)のドレスは可愛いし似合ってるだけに気になってしまいました。というか、あのドレスのシーンてすっごく短い。あんなに可愛いのにもったいないなぁ。あのドレスの写真が販売されたら買っちゃうかもしれない私はやっぱりDDだなー(笑)。王子の衣装もちょっと。あんなフリフリしてるのはなんで? 王子なんだからもっとシャキっとしろよ! と思ったのは私だけじゃないはず。フランツはフリフリしてないんだからちゃんとできたはずなのに。これは純粋に疑問でした。
あーすっげ長い(笑) それだけ私がサファイアに満足したってことです。とにかく、高橋さんのファンの人には何が何でも観て貰いたいし、そうじゃない人にも観て貰って推しにはならなくても認めて好きになって欲しいな、なんて思いました。私は後者ですね。

リーダーやるじゃん、というのが12日昼(私にとっての初回)後の感想です。もともと声質のせいか、今までの歌声ってこもり気味だったり立ち上がりが遅かったりして気になってしまうことがおおかったのですが、今回はスゴい。グレードが変わりましたね、この人は。声が低い印象があったのですが、高音もかなり出てるなーと思いました。疲労の所為か伸びきらないこともありましたが、たった半年の稽古でこれだけのものが出せるなら上出来です。感心しました、素直に。
役どころも完璧。悪巧みをするものの、結局息子のことが可愛いのが最優先。魔女にまですがるぐらいなのに、葬送(サファイア男が死んだ後にみんなで輪になって歌うところ。「♪よーみーがえれ」って歌です)のときに息子に振り払われただけであんなに傷ついた表情をし、一気に目を覚ます。あの部分の演技が一番好きですね。輪の外には大臣と魔女のみ。魔女は切々と愛についてを歌い上げ、大臣はひたすら困惑し、息子からの拒絶に絶望する。もし大臣の動機が権力にあったらああはならないんですよね。
魔女とのデュエットは最高。ユニゾンでは二人の声が驚くほどぴったり重なるんですよ。あれはすごい。近年の娘。には欠けていた正確さがきちんと存在してました。物語のキーになる部分なので、あの完成度は作品全体の出来に大きく貢献していると思います。
シリアス部分とコメディタッチの部分の演じ分けが、よっちゃんにしかできない大臣だな、と思わせてくれました。リーダーとしてだけではなくて一人のメンバーとして舞台を支えているし、成長しているのが見られてうれしく思いました。
まあ何よりもね、その姿かたちが本当に美しい! 天才的美少女がボーイッシュキャラで〜なんてレベルを通り越してます。美しすぎる。あまりに細いので倒れやしないかと心配にもなりますが、そんなのふきとばすぐらい力強いんだよなー。この大臣はよっちゃんにしかできません、絶対に。

なんだかんだすっかり長くなっちゃったので他の役についてはまた後日改めてということで。それにしても私リボンの騎士大好きだな!(笑)
明日も行くよ!(マジです)