つんく♂THEATER第4弾「あぁ女子合唱部〜栄光のかけら〜」

9月22日から24日まで3日間6公演の舞台でした。主役はTHE ポッシボーかえぴょんこと大瀬楓さん。
率直な感想は、(つんく♂THEATERは毎回こんな感じの感想ですが)ありきたりだけどいい話をうまく見せている舞台だな、と感じました。
9月は体調崩したり仕事が忙しくなったり、心身ともに弱りつつある月だったんですが、これのおかげでだいぶ元気になりました。心が洗われたっていうか、一生懸命になるっていいことだなーとか、友情っていいなーとか思ったりしました。
以下、ストーリーのネタバレを含みますのでもぐります。(や、DVD発売まで知りたくない!って人もいるかなーと思って。。。)
ヤマイチのてきとーなストーリー解説。(たぶん大筋ははずしてない)
田中富江岡田ロビン翔子)が一目ぼれした男の子に再会する口実作りのために合唱コンクールの予選突破を目指し合唱部の活動に本腰を入れようとしていたところに、転校してきた楠木真知美(大瀬楓)が名門合唱部に所属していたことを知り、真知美の話もロクに聞かずに持ち上げて宮元薫子杉浦里穂)と共にメンバー集めに奔走。自分の話をまったく聞かない二人に焦る真知美。実は、真知美は名門合唱部に所属はしていたものの、音痴を理由に先輩たちから圧力をかけられまったく歌わせてもらえていなかった。
父が指揮者、母がピアニスト、姉が音大生という音楽一家に育ち、バイオリニストを目指す立花律子(橋本愛奈)は真知美が名門合唱部の出身と知り、興味津々。律子は普段から合唱部とは不仲で、富江いわく「顔を合わせる度に嫌味ばっかり」。音痴であることを隠したままの真知美は律子の前傾姿勢にもドン引き。
音痴であることを言い出せないまま、富江の誇大広告によりメンバーが続々と集まってくる。バスケ部所属の長身美人青山こずえ(松井絵里奈)とそのファンである木島カエ(岡田怜子)と中上裕子(内田由麻)、生徒会書記で次期選挙の票集めの為に売名にやってきた嶋田麗(後藤夕貴/大浦育子ダブルキャスト)、ダンス部所属で合唱でもバックダンサーとして参加すると言い出す大西かおり(諸塚香奈実)という個性的な面々。
これに加え、真知美が音楽室で音痴克服のために特訓していた際に遭遇し保健室で再会した、病気で耳が聞こえなくなった佐竹奈美(秋山ゆりか/小川真奈ダブルキャスト)が手伝いを志願し、妹の美鈴(橋口恵莉奈)と共に合流。転校前の学校でも世話になっていた保険医本山はるか(高田あゆみ)に相談し、奈美にも勇気付けられ、真知美は合唱部の面々に音痴であることを告白する。一様に真知美に対し驚きや非難、落胆を示すメンバーだが、麗の一言により改めて全員でスタートを切ることを確認する。
しかし、合唱に関しては真知美頼りだったため指導者がいないという問題が発生。そこで合唱部のメンバーが白羽の矢を立てたのが律子だった。あの手この手を使い律子を追い詰める真知美たち。最終的に律子のとある秘密(マツケン様の大ファンw)を盾に交渉成立。ようやく合唱部が始動する。
そこに通りがかった仙道涼子(丹羽未来帆)。涼子も合唱部に所属している為、麗や奈美が誘ってみるもののあえなく振られる。涼子は陸上部のホープで第一線で活躍していた選手だったが、膝を故障し断念せざるを得ない状況においこまれ、仕方なく合唱部に籍を置いていた。涼子を知らない真知美に対し、富江は「関わらない方がいい」と忠告する。
ある日、富江は校則違反による罰則のため屋上掃除にきていた。ふと、一目惚れした男の子に電話をかけてみる。会う約束をとりつけるも、彼女がいることが判明。取り繕いながらあわてて電話を切り、泣きそうになり振りかえると、そこには涼子の姿が。富江は我慢しきれずに泣いてしまう。慌てて懸命に慰める涼子。かわいい、と言われた途端に泣き止む富江。涼子は今まで陸上一筋で友人付き合いが下手で怖いと誤解されていたことが判明。次第に二人は打ち解け、富江は涼子を合唱部に誘う。
涼子の合流にこずえは反対したものの、真知美の説得もあり譲歩する。なんとか形ができあがりつつある中、文化祭で発表のチャンスが巡ってくる。喜ぶメンバーたちの中、律子だけは不安をあらわにする。
文化祭当日、律子の不安は的中する。結果として散々なステージになってしまい落ち込む一同。律子は「もう付き合っていられない」と離脱を宣言する。更に暗くなる一同。そんな中、涼子が「コンクールの予選突破なんてそもそも無理な目標だった」と言い出す。それがきっかけとなりこずえと涼子が激しい口論となる。止めようと間に入る真知美の手からぐしゃぐしゃになった楽譜が放り出される。それを見て奈美は悲鳴を上げる。奈美はそのまま走り去ってしまった。静まり返る一同。美鈴が静かに奈美の過去を語り始める。事故で耳が聞こえなくなるまでは合唱をやっていて、この曲がとても好きだったこと。最近は合唱部の手伝いをしているときが一番幸せだと言っていたこと。美鈴は全員に頭を下げる。姉が大好きだった歌をみんなで歌ってほしい、と。
大失敗の余韻からバラバラになりそれぞれの時間をすごしていた一同だったが、再度終結し、コンクールに向けて再出発を誓う。
コンクールを直前に控え、保険医の本山から膝の怪我が海外で手術すれば治ることを聞いた涼子。手術を勧める本山に、涼子は「手術はしない。もう陸上はやめた」と言う。泣きながらシューズを捨てて去る涼子。偶然それを聞いてしまったこずえは困惑する。
涼子の手術に関する本山と陸上部顧問の会話を聞いてしまった富江は涼子に問いただす。涼子の「手術はしない、日本に残る」という返答に安心した富江。しかしこずえは涼子に「それは逃げているだけだ」と詰め寄る。「奈美を見習って逃げずに前へ進め。進むのに邪魔になるのなら、過去のちっぽけな栄光なんて捨てた方が良い」と言い放ち立ち去るこずえ。真知美もこずえに同意し、涼子を励ます。奈美は涼子の手を握り、涼子を後押しする。涼子はまだ陸上が好きであることを告白し、手術を受ける決意をする。
コンクール当日。結果は予選敗退。それでもメンバーたちの心には後悔はない。すぐに渡米するという涼子との別れを惜しむ一同。中でも、一番に仲良くなった富江との別れはお互いに辛いものだったが、絶対に戻ってくる、と約束して、涼子は旅立つ。


と、こんな感じ。後半の方がだいぶはしょりました。けっこう時系列グチャグチャだし。まあざっくりってことで。
例によってベッタベタなわけなんですけれども(苦笑)、いい話でした。
大変失礼ながら今回の舞台を見るまでキャナァーリ倶楽部のメンバーの名前と顔がぜんぜん一致してませんでした。以前、ガールズギャラリーのライブとギャルルのイベント(と夏ハロは座席が超近かった)でも見てはいるんですが如何せん覚えようという意思がなかったので。。。でももう今回で全員覚えましたよー!
スペクラ所属だけあって過去の活動暦がいろいろとある方が多いようで、その辺りを揶揄しての「前に進むために邪魔になるのなら捨てた方が良い過去の栄光」なのかな、なんて深読みをしてしまいました。


肝心の愛奈ちゃんはというと、音楽一家に育った嫌味ばっかり言う女の子、というちょっと変わった役どころ。高飛車な感じなんて出来るのかな?と思っていた私がバカでした。
やー、橋本さん、完璧です(笑)。
今回は、上品そうにしゃべったり、富江に嫌味を言ったり、怒って怒鳴り散らしたり、素直に自分の気持ちを伝えたり、といろんな表現があったけれど、よくできていたと思います。噛むことも少なかったし、滑舌も良かったし。ただ涙もろいのは悪いことじゃないけれど、どちらかというと泣いちゃいけない役だったと思うので我慢できたらベターだったかも。さらに欲を言えば、橋本愛奈にしかできない表現まで達して欲しかった。今回、愛奈ちゃんがやった律子なら、多分、ロビンちゃんにもできちゃうだろうなー、というのが正直な感想です。ロビンちゃんがやった富江は、多分、愛奈ちゃんにはできない。演技力の優劣の話じゃなくて、個性の出し方っていう意味で。
4月に東京に越してきてから、頻繁にポッシボーを見ていて感じていたんですが、みんな個性の出し方がすごく上手くなってきたなーと。香奈実ちゃんはマイペースなおっとりぶりに磨きがかかってるし、夕貴ちゃんは焦らないで言いたいことを言えるようになってきたし、楓ちゃんは以前よりも物事をはっきり言うようになったし、ゆりかちゃんとロビンちゃんはますますはっちゃけてきた。愛奈ちゃんはっていうと、相変わらずうまくみんなをまとめて進行役に徹したり、優等生な模範的コメントが多いかなーという印象。それが悪いって思ってるわけじゃなくて、あまりにもスキがないように見えちゃうから勿体無いなーと思うわけで。だってなんだかんだいって結構愛奈ちゃんって抜けてるし(笑)、自分で知らないうちにボケっとした発言してる方なんじゃないかと思ってるんですが。そういう部分があんまり見られないのは残念だなーと感じていたので、3日目昼公演後の挨拶はテンパっている愛奈ちゃんがみられてうれしかったです(ごめんよ愛奈ちゃん)。


個人的には、今回6回全公演見ることが出来て(全日仕事のため昼公演ギリギリorちょい遅刻でしたが。。。)、かつ、いろんな席から見ることが出来て非常に面白かったです。舞台全体を使って全員が細かい演技をしていたからだと思います。よく作りこんであったなぁという印象を持ちました。
終演後のメンバーたちのブログを読んで、本当に充実していたんだなぁと感じ、なんだかうれしくなりました。なかなか部活に熱中したり、行事で中心になったりはできないだろうから、今回のようにある程度の人数で何かを成し遂げてその感動で涙するなんてなかなか出来ない体験なんだろうなぁ、と改めて実感しました。メンバーにとっても得ることの多い舞台だったようで何よりです。
感謝祭でどんな話が聞けるのか楽しみ。なのでなんとしても(ドーピングに頼ってでも)会場の隅っこでいいので聞きたいと思います。